40thツアー! 前編MAD MAX 40th 

2019年2月1日にオーストラリアで開催された40thイベントに行ってきました。
このイベントは現地のファンが主催した物で、入場者は2000人限定。WEB予約のみで当日券なし。という物です。マッドマックス コンベンションを主催するS氏が音頭を取り、日本からは21人のMAD MAXファンが現地に旅立ちました。
もっと濃いのに参加できなかった人、こんなに濃いとは思わなかった初参加の人、バイク派、クルマ派、MM派、MM2派、MM4派など、それぞれ好みは違えどマッドマックスが好きという部分は共通。移動のバスの中ではMAD MAXの話に花が咲き、行く先々はMAD MAXゆかりの地ばかり。宿に戻ればビールを飲みつつ研究しながらMAD MAX鑑賞会と、まる1週間MAD MAXのことだけ考えて遊びまくる、夢のような体験でした。
最大の目的である40thイベントは、トーカッターギャングがナイトライダーの棺を受け取りに来た「駅の町」ことウィーエルサレム からのパレードでスタート。ブラックやイエローのインターセプターが何台も勢揃いすると共に、地元のKZ1000オーナーズクラブのバイクが集まり、警察の許可のもと、パトライトを回しサイレンを鳴らして走る姿に、熱狂以外の言葉がありません。

会場に到着すると、オリジナルキャスト達のトークライブ、サイン会、Tシャツやグッズの販売と共に、パレードを終えたMAD MAXカーが、ズラリと展示されていました。
オリジナルキャストが勢揃いしていることもあって、サイン会は1~2時間の行列。さらにキャスト達は途中で昼食休憩を取るため、そこに引っかかれば休憩中も並びっぱなしになる覚悟が必要です。貴重な時間を2時間使ってでも列に並ぶべきか、その時間も大量に展示してある車両をじっくりと見て回るべきか。僕の答えは後者でした。

ブラックインターセプターだけで6台以上、ナイトライダーのパシュートスペシャルも2台、イエローインターセプターはマックス、ビッグボッパーだけではなく、なんとマーチヘアまで登場。マーチヘアは希少な前期型を使わないと製作できないだけに、ここで出会えたことは本当に奇跡のようです。特徴ある前期マスクは、イエローになっても非常に絵になります。しかも、運転していたのは綺麗な女性で、旦那様のブラックインターセプター(MAD MAX2仕様)と2台で来られていました。インターセプターを2台持っているというだけで驚きですが、よくよく話を聞いてみると「MAD MAX仕様のインターセプターはリビングに飾ってあるんだ。インターセプターは全種類持っているよ!」とのこと。さすが世界は広いです。まさかインターセプターレプリカを全種類持っている人がいるとは! オーストラリアでもfacebookは定番なので、友達申請させてもらおうとしたところ「俺の携帯を見ろ。俺に用事がある時は電話を掛けてこい」と、ガラケー(?)を見せられました(笑) 握手をしたら僕の2倍くらい大きな手で、しかも普通じゃないレベルの拳ダコ。何をやっている人なのでしょう。仲良くなったあとはマーチヘアに座らせてもらったり、ブラックを見せてもらったりとサービス満点で大興奮!

会場は、インターセプター以外にも、マックスとジェシーが旅に出た際に乗っていたサンドマンや、MAD MAX2やFury Road系のレプリカも多く、見て回るだけで鼻血が出そうな程です。
色々とインターセプターを見て回っていると、後ろから誰かに肩をとんとんと叩かれました。振り返ると現地の御婆様が、おいでおいでしています。一体何かと思ったら、マックトラック(MAD MAX2でマックスがラストに爆走するトレーラー)のレプリカに座らせてくれるとのこと! 旅の仲間と交代で乗って写真を撮っていると、なんどエンジンを掛けてくださり、ガンガン空ぶかしをしろ!と(笑) こんな機会は二度と無いと思います。
そして今回の旅の目的のひとつ、インターセプターレプリカ界の神様のひとり、ジョージさんにお会いすることができました。彼はレプリカ製作の際に皆が困る「警察無線機」や「サイドダクト」など、劇中同様の小道具や失われた純正部品を製作している方です。実は会場でお会いする約束をしていたものの、彼のfacebookには顔写真がなく、よく考えたら会場で彼を発見する手がかりもありません。最初は途方に暮れていたのですが、落ち着いて考えてみると彼はレプリカ界の神様。インターセプターレプリカのオーナーなら知っているはずです。手近なオーナーに声を掛けると、なんと「ジョージなら俺と一緒に来たんだ」とのこと。「彼が来るまで俺のインターセプターに乗るか?」と記念撮影させてもらうなど、現地のオーナーと仲良くなりました。ジョージさんとも無事に会え、お土産(日本のお菓子)を手渡し、今後についての話をさせて頂きました。
足が棒になるほど歩き回り、全車細部までチェックしまくり、会場で焼いていたホットドッグやハンバーガーにもありつけ、Tシャツや記念品なども購入。そしてぐったり疲れてきた夕方頃に、なぜか会場のスタッフがキャンピングトレーラーを移動し始めました。何をしているのか理解出来ないまま見ていると、ビッグボッパーのレプリカ車が1台、外周路を勢いよく走り始めました。よく見るとキャンピングトレーラーの周りは黒山の人だかり。「あのビッグボッパー凄い勢いで加速してるけど、もしかしてアレに突っ込んだりしないよね」「まさか~それは無いでしょう」などと話していると…(詳細は動画で!)
これはナイトライダー追跡の劇中再現。キャンピングトレーラーは粉々になり、突っ込んだビッグボッパーは停止。誰も出てこないし、誰も近づかない。もしかして運転手は大怪我をしたのでは…と、慌てて近付いてみたところ、助手席から上半身裸の爺さんが出てきて、ルーフの上に乗ってガッツポーズ! それはまさしくチャーリー役のジョン!! いくら劇中を再現するスタントとはいえ、こんな激しいスタントをイベントでやる? チャーリーもよく乗るな! と、ノリが良すぎるオージー達に驚きつつ感動しました。

色々な体験ができましたが、車両展示ばかり楽しんでいたこともあって、結局サインの列には並ぶことができませんでした(並ぼうと思ったときには〆切りだった)。ただ、サインの列に並んでいた人の中には、このイベントを観ることができなかったばかりか、急にチャーリーがサイン会場から消えたために、彼のサインをもらい損ねたとの報告がありました。歩き疲れてバスに戻っていた人も、最後のアトラクションを見ることができませんでした。つまり、すべてを網羅できないほどのBIGイベント。すべての感動を手に入れずとも、それぞれがそれぞれの場所で大満足できたのではないでしょうか。
ちなみに、イベントに集まった現地の方達の年齢層も40台後半~50台半ばが圧倒的だったことから、恐らく10年後にはオリジナルキャストのゲストも減り、参加者も老人会のようになっているでしょう。そう考えると今回のイベントは本当に良いタイミングであると同時に、これだけ大規模なイベントは後にも先にも無いような気がします。本当に素晴らしいイベントでした。色々と無理を押して参加しましたが、一生忘れることのない感動的な1日でした。