富士スピードウェイFSW 

※メルボルンツアーの後編を詳細にレポートする予定でしたが、マクラウド氏の頒布するマッドマックス40年史V2.5に詳細に記されていますので、御興味のある方は是非そちらを御覧になって下さい。

製造されてから40年も経過している旧車なんか、ボロくて当たり前。すべての部品を新品にしたところで、現代の自動車とは比較にもならない40年前の工業製品を再生するだけです。つまり、どれだけ良い条件の個体を買ったところで、後悔する理由なんかいくらでも作れるんです。ところが、インターセプターを入手し、現在も肌身離さず大切に維持している大先輩達は、誰1人後悔などしていません。口では色々言っているかもしれませんが、みな一度きりの短い人生の中で、インターセプターを手に入れる決断をした、達成者の貌(かお)をしています。
そんな中でまた1人、生涯を賭した夢を叶えた人が現れました。前々回に紹介した僕の先輩です。

先輩がMAD MAXファンだったことすら知りませんでしたが、身近にインターセプターのオーナーが増えただけで本当に嬉しいです。先輩が入手したMAD MAX2(ロードウォリアー)仕様は、インターセプターレプリカ界の巨匠、ゴードン氏が製作した個体です。すでにピンと来ている人も居ると思いますが、那須PSガレージ2号機です。このHPでも、トップページのスライダー2枚目と4枚目の画像として使わせて頂いているので、皆様にはお馴染みの個体です。
MAD MAX2は、続編なんかどうせ面白くないと思いつつ観始めると「開始5分で観客のハートを鷲掴み!」という、ジョージ ミラー監督の神懸かり的な演出にヤラレてしまう映画です。

MAD MAX2仕様のレプリカは、MAD MAX仕様と比べると世界的に少なく、ゴードン氏が製作した個体は2台しかないそうです。その貴重なインターセプターと一緒に、富士スピードウェイで開催されたスーパーカーのイベントに参加してきました。
僕個人の考えでは、インターセプターはオージーマッスルであり、決してスーパーカーではありません。なのでスーパーカーのイベントに参加して大丈夫なのだろうか…と心配ばかりしておりました。
会場である富士スピードウェイに向かって高速道路を流していると、爆音系のマフラーを装着したスーパーカーがじゃんじゃん追い抜いていきます。これだけでも相当大きなイベントであることが判ります。

先輩と海老名S.Aで合流。他にもスーパーカーがたくさん居ましたが、僕らにはこの2台しか目に入りません(笑) MAD MAXとMAD MAX2のインターセプターを並べて見ているだけで、かなり楽しい時間が通り過ぎました。
会場までのランデブー走行も非常に楽しかったのですが、富士に近付くにつれて周囲のスーパーカーの比率がどんどん高くなっていきます。実際に会場に到着すると、そこには新旧合わせて200台を超える、超スーパーカーがズラリ勢揃い。やはり僕達だけ浮いた存在でした(汗)
スーパーカーを所有されている方は、やはりさまざまな努力や苦労の末に手に入れて維持なさっていると思います。このようなイベントは、オーナーとして参加する権利を手に入れ、苦労が報われる瞬間のひとつだと思いますので、門外漢の僕がインターセプターを並べることは、非常に申し訳なく感じました。

申し訳なく感じたのですが、しれっとパレードランにも参加してしまいました(お邪魔にならないように最後尾付近)。お陰で、普段間違っても見ることのない「富士スピードウェイを走るインターセプター」の後ろ姿を見ながら走るという、これ以上ない不思議体験に大満足。MAD MAX2仕様のインターセプターはリアに特徴があるので、後ろを走るだけで眼福です。まさか人生にこんな日が訪れることになるとは夢にも思いませんでした。参加させて頂き、本当に感謝です。

ファルコン用の部品Parts 

話は変わりますが、フォード ファルコンは日本に正規輸入されていない40年も前の自動車です。もちろん、日本では故障した際に部品を入手するのが非常に困難。にも関わらず、楽しくインターセプターライフを送っていける理由は、現在でも消耗部品が現地で流通しているからに他なりません。何でもかんでもネットで検索してポチッと購入できるわけではありませんが、現地でファルコンをレストアしている仲間と情報交換できるようになったお陰で、ほぼすべてのパーツが入手可能となりました。
海外発送していない部品を送ってもらったり、これまで諦めるしかなかった外装関係も(程度を問わなければ)中古部品を送ってもらえるようになりました。
さらに嬉しいことに、インターセプターレプリカの第一人者であるゴードン氏からエアロパーツを供給して頂けることになりました。通常ゴードン氏のボディパーツは作業しやすく展示向きの軽量ファイバー製ですが、走行を考慮した厚いタイプも特注可能となりました。弱点と言われていた薄さを克服したことで、さらに良い製品になったと感じます。部品の供給が確保できたことで、当分日本でパーツに困ることはないでしょう。今後も安心して乗り続けることがでるというだけで、感謝の気持ちでいっぱいです。

<おまけ>
MAD MAXかMAD MAX2か
僕はMAD MAXが大好きです。起承転結がキッチリしていない故のダラダラ感も含めて作品を愛しているので、そこがダメという人の意見も理解できます。そしてMAD MAX2にはアクション性もシナリオの面白さもMAD MAXを上回る物があり、2の方が面白い、2の方が好きという人の意見も理解できます。
僕はあの世界観に拒絶反応がなかったので、2も大好きではあるのですが、中盤でインターセプターが大破した時点で受ける衝撃と共にテンションが下がり、トレーラーを運転するラストのカーアクションは、御通夜状態の気分で観流してしまいます。で、この御通夜状態の気分を払拭してくれないどころかMAD MAXは終わったと御葬式気分にしてくれるのがサンダードーム。やはり、何度も観て楽しめるのは初代MAD MAXです。