色々と悩みましたが、調べれば調べるほど「ベース車輌さえあれば日本でも製作できる」「日本で作った方が良い物が作れる」と考えるようになってきました。日本のチューニング風な表現をするならば、過給器付けてマフラーをワンオフしてエアロ+オールペンするだけ(入手困難なパーツが多いという問題がありますが)。
「一番大変なスーパーチャージャー制御」部分だけに心血を注ぎたいために、他の部分は出来合いの完成品で良いと考えていましたが、一番大変な部分のことを考えれば、他は造作もない(…かもしれない)ということです。
そんなこんなで、インターセプター完成車と並行してファルコンのベース車輌を探し始めたのですが、二代目ファルコンが全然出てきません。どれくらい希少かというと、日本でケンメリGT-Rを探すくらいレアです。たまにXA(前期モデル)のオリジナルコンディションが出てきますが、目玉が飛び出る価格です。
そんな中、驚愕の事実を発見しました。なんと、販売サイトをよく見ると「買いますファルコンXB 5万ドル」「買いますファルコンXB極上車 10万ドル」などの書き込みが多数あるのです。
こんな状態で格安の掘り出し物が出てくるハズがありません。掘り出し物を持っていれば10万ドルで売るに決まっています。
ちなみに画像のドンガラは、ファルコンXCクーペで$28,000。完全にレストアを施して、パーフェクトな新車状態にすれば$100,000で売れるそうですが、そもそも不足部品をすべて日本で揃えるのは不可能です(2017年3月現在)。
ちなみに現在のオーストラリアの情勢は、建設ラッシュの中国に向けて、鉄鋼をバンバン売っていた右肩上がりの景気が一区切り。若干買い控えが始まっているような気もしますが、ショッピングモールのフードコートで食べる、一般的なランチプレートの相場が1500円くらいなので、日本以上に物価は高止まりしています。
5年前くらいまでは、街中に旧車やボロいままのクルマが結構走っていました。日本車も、ケンメリスカイラインの輸出仕様260Kをはじめ、S30Zなどをチラチラ見ることができたのです。しかし、ここ数年の好景気のお陰で、綺麗なクルマばかりになってしまいました。
僕は板金屋ではないので、インターセプター製作ショップのように「放置車両を格安で買ってきて、外装を綺麗に修復」というわけには行きません。
本当は安い物を買ってコツコツと直したいところですが、それでは逆に高く付いてしまいます。
例えばハコスカGT-Rを買ったイギリスの方が、EUでは部品が入手できず、高額な手数料を支払って日本からパーツを取り寄せている現実があります。日本の誰に依頼すればスムーズに部品が調達できるのかも判らず、すごい金額で買っていました。ここまでの状況にはならないと思いますが、希少部品が簡単に入手できるとは思っていません。最初から良い個体を買わなければダメなのです。
40年前の自動車という時点でレストアは必須ですが、できる限り手間とコストを抑えるためにも、「なるべく欠品部品の欠損がない」「なるべく良い状態で保存されていた」個体と巡り会いたいところです。
部品の入手が困難な車種で安易に妥協すると、本当に後悔します。最悪の場合、部品取り車を用意するハメになります。