僕はfacebookをよく活用しています。さまざまな自動車関係のコミュニティに参加しているのですが、とある場所で「民家の軒先にインターセプターが放置されている画像」が貼られていたのです。
これには本当に驚きました。撮影した人は誰なのか、どこで撮影された物なのか、どのようなコンディションなのか。そして、仮に突き止めたとして、買うべき個体なのか。たった1枚の画像から、数ヶ月悩みました。
そして、画像を投稿した方が友達の友達だったこともあり、真剣に相談。撮影場所まで案内して頂きました。
御留守だったため、寒空で数時間待たせて頂き、お戻りになったところにお声をお掛けして、誠心誠意お願いしました。
当然ながら断られましたが、日を置いて何度もお願いをしました。
しかし、オーナー様は、いつか直したいという「心の火」、が残っていて、譲って頂くことはできませんでした。
断られて残念な気持ちもありますが、オーナー様の「直したい」という気持ちは痛いほど理解できます。逆の立場なら、僕だって同じ事を言うでしょう。
詳しく話を聞くと、ある地方のアメ車専門店が「いくつか輸入したうちの1台」で、「エンジンは新品の351」と聞き、現車を見ずに電話のやり取りだけで購入したそうです。
ところが陸送されてきた車輌は、ローダーから降ろす前から問題を抱えているような状態。いくつも問題が発生するものの、修理してもらえる店も見付からず、購入後数百km走行しただけで置きっ放しになってしまったそうです。
現状、問題部分をすべて新品交換+レストア+色々と現代化をやると、軽く数百万掛かりそうです。しかし、熱狂的にインターセプターが好きな僕には、放置による塗装の痛み具合も「砂漠で酷使されたリアルなヤレ具合」に見えてしまい、見るたびにウットリ。
夢に出るほど恋い焦がれましたが…残念ながら片思いで終わりました。
放置インターセプターのオーナー様にラブコールを送る一方で、高名なオーストラリアのゴードン氏や、アメリカのディー氏(共にレプリカ製作をしている人)とも連絡を取り合いました。
ゴードン氏によると、現在ファルコンのハードトップは価格が異常過ぎるため、高騰したベース車輌の価格がそのまま完成車輌の費用に乗っかってしまうとのこと。さらに、ゴードン氏は引っ越し(なんと3500km以上の大陸横断!)のため休業中とのことです。
僕は「完成車を探すことこそが命題」であり、ファルコンから自分でインターセプターを構築することなど、考えてもいませんでした。
ところが、恋い焦がれた彼女に振られ、冷静になると「ほとんどのパーツが入手可能」だし、「レプリカも決して良い状態の物だけではない」と、慌てて手を出す必要が無いことに気が付きました。
外国人の言う「完璧」と、日本人が考える「完璧」には、天と地ほどの差がある(場合も多い)。完成車を買っても、どうせ外装以外はやり直しに近いのであれば、日本で作った方が間違いないのではないか…と考えるようになりました。