2019年2月に、オーストラリアでMADMAX40周年イベントが大々的に開催されます。目玉はやはり、オリジナルキャストがゲスト参加することです。
・トーカッター&イモータンジョー役のヒュー キース バーン氏
・フィフ隊長役のロジャー・ワード氏
・マックスの奥さん役のジョアンヌ・サミュエル
・ジョニー役のティム・バーンズ氏
・クンダリーニ役のポール・ジョンストーン氏
オリジナルキャストが多数ゲストとして集まってくれるだけでも奇跡ですが、MADMAXコンベンション・S様のコネクションにより、日本からの遠征チームを、あのデイル・ベンチ氏がガイドしてくれるという奇跡。
デイル・ベンチ氏は、MADMAXのバイクスタントを担当されていた方で、「MAXターン」や「あー、これは死んでる死んでる」の、頭にバイクが当たるシーンの人!と言えばピンと来る人も多いと思います。実はそれ以外にも、印象に残っているグースが走っているシーンの、ほぼ全部がデイル氏のスタント。そう、僕たち世代の多くの方がカッコイイ!と思っていたライディングは、デイル氏だったのです。
そして、後述しますが、僕自身もデイル氏とMADMAXコンベンション・S様には、足を向けて寝る事ができないほどのヒントを与えてもらっていて、これほどの幸運は無いと思っている次第です。
旅に掛かる諸々の予算は約30万円前後らしく、もちろん僕は行けないことが確定していました。ところが、彩香の宿 一望のインターセプターホテルに宿泊した際、K師匠と何時間もインターセプターの話だけで盛り上がったり、本当に親切にしてもらったこと、故障して路上で立ち往生した際に御迷惑を掛けてしまったことなどから、我が家の「旦那がインターセプター買いやがった被害者の会 会員」が理解を示してくださり、行ける事が確定しました。
ちなみに、ツアーではなく、皆で同じ飛行機を予約して現地の空港で合流しましょう!という、「レンタカーや通訳代ワリカンで友達同士の旅行」という体裁なので、往復の航空チケットを安く手に入れるためには急ぐ必要があります。僕は行けると決まった日に速攻でネットで格安航空券屋を探し、無事チケットをゲットできました。
もし、行ってみたいと考えている方がいらっしゃいましたら、MADMAXコンベンション・S様に直接お問い合わせください。ちょっとした質問でしたら僕でも説明できますので、facebookかinstagramかtwitter経由で御連絡ください。
今年の春に、MADMAXコンベンション・S様が、MADMAX40年史という本を製作されました。インターセプターの細部ばかり追求している僕のホームページとは違い、この本は「40年前、MADMAXが公開された当時に何が起きたのか、どういう時代だったのか」という部分や、映画にヤラレたファンの間で流行したアイテムなど、当時を知る者にとって感涙ものの情報が詰まっています。
この本の発行を記念して開催されたトークイベントに足を運ばせて頂いたのですが、そこで「インターセプターの真実」に迫る、貴重な画像と出会ってしまいました。MADMAXコンベンション・S様は、解説の際にスライドでさまざまな画像を紹介してくれるのですが、その中の1枚に、とんでもない画像があったのです(あくまで僕的視点の話ですが)。
その画像は、MADMAXを撮影していた当時の物で、ロケ中のオフカット。「MADMAXの撮影は低予算で、インターセプターも機材を運んだりスタッフの食事の買い出しに使われていたんです」という解説と共に紹介されました。この写真を見た瞬間、僕は衝撃を受て全身が凍り付くほどに固まってしまったのです。
MADMAXのロケ中に撮影されたインターセプターの写真など、お宝中のお宝。なのに、僕はこの写真をどこかで見た記憶があります。で、よくよく思い出してみたところ、オーストラリアのカー雑誌がインターセプター特集をした際に、掲載されていた画像だったのです。つまり、雑誌の画像は本物のインターセプターの写真だったのです。
これを当時撮影した人こそ、スタントライダーのデイル氏本人と聞き、さらに衝撃を受けました。僕は、MADMAXが映画として大成功した理由の1つに、インターセプターやバイクのカッコ良さ以上に、本当に死んでいる(ように見えるし、死んでいると言われていた)バイオレンスシーンがあったと思っています。かくいう僕も、当時「撮影中に悪党が本当に死んだシーンがある!」という話を聞いて観たものです(笑)つまり、映画が大成功したのは、デイル氏の功績である部分が大きい。と、勝手に思っているのです。
リスペクトしているデイル氏が、さらに当時の貴重な画像を公開してくれているという衝撃で舞い上がった僕は、facebookでデイル氏にメッセージを送りました。当時の話やインターセプターの話で盛り上がり、S様から画像を見せてもらった件を話したところ、貴重な当時の画像を3枚も頂いてしまいました。お礼にもなりませんが、筑波サーキット(MADMAXコンベンション2016)で撮影した数百枚の画像をプレゼントしたり、リスペクトっぷりを語らせて頂き、オーストラリアでお会いした際には、改めてお礼をする約束をしました(左が雑誌掲載された写真と、デイル氏から頂いた当時の写真です)。
で、この写真なのですが、複数の角度から撮影されているために、ブルーの回転灯が助手席側の屋根の上に置いてある事がハッキリと判ります(西部警察の覆面パトカー的な感じで)。そう、この「青い回転灯が屋根の上に置いてある」事こそ、世紀の大発見。インターセプタービルダーの僕にとって、これは衝撃的な事実なのです。
なにを大騒ぎしているのかといいますと、この回転灯は本来、助手席側グローブボックス付近にステーが増設されていて、その上に置いてあります。何度も観ている人なら御存知だと思いますが、劇中でトラックを追い越す際に、点灯・回転させています。
それを屋根の上にポンと乗せている、屋根の上に置いている。…ということは、
・簡単に脱着できる
・屋根の上に置ける形状
・そこまで引っ張れる長い電源ケーブル付き
ということです。ここが重要。とても重要!
この回転灯は、ネットを駆使して必死で探すと、いくつかの場所で販売しているのを発見できます。さらに本当に必死で探し込むと、2種類存在することが判明します。ザックリ説明すると、ボルト固定タイプとマグネット固定タイプです。僕はインターセプターを完全合法仕様にしたかったこともあり「青回転灯をボルトで固定したら車検でアウト」という理由からマグネットタイプを探しました。
世界中のファンの方に知恵を借り、ようやく製造元の大企業に辿り着きましたが、何度メールを送っても返事が返ってきません。在庫が無いならロットで買うから価格を教えて欲しいと言っても、返事は帰ってきません。自動車メーカー相手に純正のウインカーレンズなどを卸している大企業だけに、問屋や商社を通さずに直接売ってくれと頼む方が筋違いなのですが、ここで諦めるわけには行きません。
日本からのメールは相手にしてくれないため、ヨーロッパの友達にメーカーとの交渉を依頼。この友達が、メールだけではなく電話もしつこく入れてくれたお陰で、ようやくマグネットタイプの回転灯を手に入れる事ができました。持つべきは友です。
このような事があったため、2種類のライトの構造に関して調べ尽くしていた僕は、この貴重な画像から、劇用車が使用しているのがマグネットタイプであると確信しました(ボルト固定タイプは足のようにボルトが真下に生えているため、脱着が困難な上に、そもそも屋根に乗りません)。
多くの人にとっては、日本製の回転灯とは光り方や回転速度が違うことも、現在でも当時と同じ物が製造されていることも、同じ回転灯に2種類のタイプが存在することも、日本からメールしても返事すら帰ってこない大企業から購入できたことも、どうでもいい話だと思います。本当にどうでもいいことですよね。でも、実際にインターセプターを製作している僕にとっては違います。2種類ある回転灯のうち、車検を気にして本当に必死で探して入手したマグネットタイプが、本物と同じだった。これだけで胸躍る自己満足を手に入れることができましたが、そんなことよりも、本物のインターセプターが使用していた正真正銘のパーツを解明できたことに、心から感動しています。