フォード・ファルコンの搭載エンジン インターセプター

ファルコンの搭載エンジン

劇中車に搭載されているエンジンに関してはザ・ラストV8に書いていますので、こちらでは、フォードファルコン搭載のV8について紹介します(重複する内容もあります)。

三代目フォード・ファルコンは、何を隠そうV8よりも直6搭載車の方が多いです。V8を搭載するのは、一部の上級グレードや、スポーツモデルだけでした。
これは、歴代マスタングがV8よりV6の方が人気なのと同じ理由です。

V8も細かく言うと純正で5~6種類あり、それぞれ全然違います。
XA・XBには、302ウィンザー(4.9L)と、351ウィンザー(5.8L)搭載車があります。
ホットモデルのGTのみ、351クリーヴランド4Vが搭載されていました。
XCはV8搭載モデルに、302クリーヴランド、351クリーヴランド2Vが使われ、ホットモデルのGTオプションのみ、351クリーヴランド4Vが選択できました。

ウィンザー

ウィンザーは302Wや351Wなど、「W」と表記されます。
フォードのスタンダードなV8。スポーツモデルや高級車用に排気量を拡大したものの、351で頭打ちになってしまう。この351という数字には、シボレーの350に対しての営業的な優位性もあったと思います。ホットモデルのクリーヴランドが登場した後も生産は続けられ、クリーヴランド生産終了後も多くの自動車に搭載されました。製造期間が圧倒的に長かったこともあり、ユーザー数が多く、現在でもパーツの入手が容易です。
XA搭載のV8は、すべてウィンザー。XB搭載V8は、XB GT以外がウィンザーです。
当時の視点では、明らかに新型のクリーヴランドの方が良いとされていたようですが、今となっては話が変わります。簡単に安く直したり、安くパワーアップさせようと考えた場合、圧倒的にウィンザーの方が有利です。
ウィンザーとクリーヴランドの見分け方は簡単です。ウィンザーはラジエターのアッパーホースがインマニから出ていて、クリーヴランドはブロックから出ているので、ここを見れば一発です。

クリーヴランド

クリーヴランドは302Cや351Cなど、「C」と表記されます。
ウィンザーの性能アップ版がクリーヴランドです。次世代エンジンという程の変化はありませんでしたが、高出力版の4V(4バレルキャブ搭載)に関しては、常軌を逸するほど巨大な吸気ポートとビッグバルブ+ハート型燃焼室(高い圧縮比と広大なスキッシュエリアが出力アップに有利)のヘッドを搭載。最大で400(6.6L)のモデルまで登場しました。
351Cは、ポートやバルブが小さい2Vというモデルもあります。

XB GT搭載のV8は、高出力版の351C-4V。上の画像がXBのパンフレットに記載されたエンジン仕様。XBだけ4Vであることが、シッカリと記載されています。

XC搭載のV8はすべてクリーヴランドですが、4Vだけは「GTパワーパック オプション」を追加した車輌のみ搭載されました。
GTパワーパックは、ハードトップやGXLのような上級モデルだけではなく、ワゴンなどでも選択できたようです。

ちなみに、ファルコンに搭載された351C-4Vは、「クリーヴランド」と名が付いていますが、アメリカのクリーヴランド工場製ではありません。
すでにアメリカではクリーヴランドV8の製造が終了していたため、オーストラリアのジーロン工場で現地生産された物が搭載されました。

  • ファルコンXB搭載351C-4Vスペック
  • 排気量:5752cc(351cu.inからccへの換算値)
  • ボア×ストローク:101.6 x 88.9mm
  • (ボア×ストロークからの計算値は5766cc)
  • パワー(DIN): 300bhp/5400rpm
  • トルク(DIN):51.5kg-m/3400rpm
  • 圧縮比: 11.0:1

ボス351

71年式ムスタング(当時表記)ボス351だけに搭載された、4Vよりも凄いクリーヴランド。ファルコンには搭載されていません。
71年式あたりのムスタングといえば、日本ではマッハ1が有名。ですが、日本車的な解釈ではボス351=GT-Rで、マッハ1=タイプMのような存在です。ただし、ただのタイプMではなく、マッハ1にはビッグブロックの429ボス(370ps)搭載モデルもあります。
アルミ製インマニ、ソリッドリフター、鍛造高圧縮ピストン、強化コンロッドが奢られ、4Vの300psに対し、330ps(ハイオク指定)のカタログ値を誇りました。
71年以降のムスタング ボス351は、排ガス規制のためパワーダウンし、魅力を失います。
前日譚コミックの中で、マックスは「ボス351クリーヴランド」と言っていますが、これだけ高圧縮のエンジンにルーツブロワーで過給するのは、果たして効果的でしょうか。過給のために低圧縮化するのであれば、ボス351を使用する意味もなくなります。
僕の勝手な想像ですが、クリーヴランド最強グレードなので、安易に使用されたのではないかと想像します。

351クリーヴランドのチューニング

ピストンやコンロッド、クランクシャフトを交換して、5.8Lから最大で6.7Lまで排気量アップが可能です。現在でも、これらのチューニングパーツは多数販売されています。当たり前ですが、ロングストローク化するほど低回転重視になり、ブ厚い低速トルクと引き替えに高回転の伸びが悪くなります。
ただし、日本と違いアメリカンV8の世界では、ボアアップなどの機械加工+パーツ組み込みが完了している、ショートブロック(チューニング済み腰下)や、パワーが出るポート形状に新規鋳造されたオリジナルのアルミヘッドの完成品が激安(あくまで日本のチューニングとの比較)で販売されているため、パーツを買って内燃機加工して…とやる方が、高くなる場合も多いです。猛烈にこだわる場合は別ですが、単純に「過給して600ps出て、街乗りで壊れなければ何でもいい」という程度であれば、吊しのチューニング済みエンジンと載せ替える方が安いし早いです。
ただし、現在ウィンザーならこれが許されますが、クリーヴランドはシリンダーブロックの入手が困難になったため、ビックリするほど高額です。
このため、日本式(?)にピストンやコンロッド、クランクなどを自前で組んだ方が安上がりですが、日本で定番の直4や直6と違い、V8は使用するピストンとコンロッドに合わせたダイナミックバランスが必須。NAPRECの名古屋氏がV8のバランスも得意ですが、いつもお忙しそうなので頼むと怒られそうです(笑)