僕1人では到底不可能な「インターセプター製作」という絶望的なプロジェクトですが、参加表明・協力表明してくださるプロや企業のお力添えで、1歩ずつ前進しています。ここでは日本国内の協力企業を紹介します。

アルミパーツのセラコート施工

Ace Garage

スーパーチャージャーのバフ掛けされたアルミの輝き。遠くからでも一目でインターセプターだと判る「重要なアイテム」であり、これこそがインターセプターの貌(かお)だけに、輝きはとても重要 …なのですが、アルミのピカピカは長持ちしません。
1円玉を思い出してください。アルミ製の1円玉は、新品時にキラキラ輝いていますが、すぐに輝きは消え、あっという間にネズミ色に変色します。アルミの表面はとても酸化しやすく、空気に触れているだけでネズミ色になるので、常に磨き続ける以外には防ぐことができません。ケータハム スーパー7という、アルミ地肌が美しい軽量スポーツカーがありますが、長く所有している人ほど全塗装していることからも、アルミの地色を綺麗に維持するのが本当に大変なことが理解できると思います。
インターセプターを維持していくということは、バフ掛けされたアルミの輝きを維持していくということですが、そこには夢も希望もありません。磨き続けるしかないのです。

当初は透明アルマイトかクリア塗装 …と考えましたが、アルミ+透明アルマイトを多用しているヨーロッパ車が、数年でアルミから白サビが大量発生するのは有名な話。つまり、やっても無駄ということです。
そして、とても残念なことなのですが、アルミは塗装が剥がれやすいという難点があるのです。綺麗に塗られたシリンダーヘッドやサージタンクの塗装が、数年でボロボロに剥がれるのは常識です。全身アルミボディのNSXや初代インサイトには、アルミ専用の水性塗料が採用されましたが、残念ながらクリア(透明)はありません。
この他にはメッキという手段がありますが、「バフ」と「メッキ」の輝きには、大きな違いがあります。銀色に輝いているという点は同じですが。もはや違う色なのです。
色々と考えましたが、塗装やメッキはいずれボロボロと剥げます。だからといって何もしなければネズミ色にくすんだり、白サビが発生してしまいます。
これを回避するには、常日頃から磨き続けて輝きを維持するだけですが、ズボラな僕には絶対に不可能です。さんざん悩んでいるときに出会ったのが、セラコートです。

自動車用の特殊な(塗装状の)コーティングでは、ガンコートやパウダーコートが有名です。これらは通常の塗装と違いアルミとの相性が高く、過去に米軍が銃器に採用したことも含め、高い信頼性があります。
対するセラコートは、現在進行形で米軍純正採用されている最新のコーティングです。耐熱、超耐熱、高硬度、クリア(透明)など、用途に応じた複数のバリエーションがあります。
日本ではオートバイ系のカスタムショップでは定番になりつつありますが、自動車用としてはまだまだ未知数。ネットを駆使して探しまくっていたところ、ハイパワーと超高温が常となるチューニングカー用として、さんざん実験と検証を繰り返している、エースガレージに辿り着きました。
単純に塗るだけではなく、塗装時の温度や、乾燥方法はセラコートの特性ごとに異なり、目的に合った方法で仕上げることで、セラコートは性能を存分に発揮します。しかし、僕が求めているのは、説明書通りに作業をする作業員ではなく、製品を使いこなすエンジニアです。失敗した後に「ウチは説明書通りに作業しました」なんて言い訳をされても困るからです。

エースガレージ代表の生田氏に直接お会いして話を伺ったところ、輸入元はセラコートの実証実験を重ねているわけでも多角的な検証データを持っているでもなく、輸入商社的な感じだそうで、データ検証の協力を求めても断られてしまったそうです。
このため、高性能なチューニングとハイパワーエンジンを得意とする国産チューニングショップの協力を得て、実際に耐熱セラコートをテストしたところ「吊しのセラコートでは、ターボ車の1000度近い排気熱には耐えられない」ことが判明。このため、生田氏は独自にブレンドしたり実証実験を重ね、「多数の研究成果と実績、ノウハウ」を獲得。もはや輸入元とは異なるベクトルでセラコートを扱っている。と、感じられました(すべて僕の主観です)。

果たして長期的な輝きが得られるのか。インターセプターの仕様について細かく相談したところ、快く対応して頂けることとなり、スコット インテーク、スーパーチャージャー本体をはじめ、プーリーやインマニまで、アルミパーツすべてをセラコート・クリアで仕上げて頂きました(郵送で対応してくれました)。

このセラコート・クリアの保護性能に、どれほどの効果があるのか。また、長期的な耐久性がどれくらいあるのか。こればかりは、施工直後に答えは出ません。ビフォー/アフターの画像が用意できたため、いまここで紹介させて頂きます。
1枚目の画像が施工から2ヶ月後の東京オートサロンで撮影された物。2枚目の画像が、施工から1年後に筑波サーキットのイベントで撮影した物です。その間、とくに磨いたりすることはなく、ホコリを拭く程度の乾拭き2回、水拭き1回(たまたまウエスが湿っていた)だけ。画像をよく見て頂けば解りますが、セラコートを施工していない黒いボルトは全部サビているのに、セラコートを施したアルミ部分は輝きを失っていません。この事実こそが生田氏の実力であり、モノではなく腕を頼って依頼できる店であることの証明です。正直、感動しました(2019/1/30)。
ホームページ:http://ace-garage.net/
フェイスブック:https://www.facebook.com/Ace-Garage-697954803602348/