MAD MAX コンベンション 2019MAD MAX convention 2019 

MAD MAXコンベンションは、筑波1000で開催された2016年度に初めて足を運び、インターセプターの迫力に感動。このイベントで知人を介して師匠を紹介して頂いた事が、結果としてインターセプターを手に入れるまでの時間を大幅に短縮したと言えるでしょう。そしてインターセプターの製作が8割程度まで進んだ頃に開催されたMAD MAXコンベンション2017では、ジャイロキャプテン役のブルース スペンス氏らのトークの合間に、師匠のインターセプターを丸パクりするべく、各所をノギスで計測して数千枚の画像を撮影しました。その2カ月後に開催された東京オートサロンに初展示した時の感動と達成感は、忘れることができません。
インターセプターが形になってからは、各地のイベント出展、カー雑誌や男性誌の取材、新聞掲載、ラジオやTVの収録など、一庶民には想像もできなかったイベントの連続。そしてMAD MAXロケ地探訪ツアーでメルボルンに飛んだ際に、MAD MAX色の濃い仲間達と親睦を深めることができたのも、人生における大きな財産です。
そして、11月14~17日の4日間、日本史上最大規模のMAD MAXイベントとなる「MAD MAXコンベンション2019」が開催されることとなり、遂に僕のインターセプターもこのイベントに展示させて頂ける運びとなりました。
…のですが、イベントの1週間前に配線関係の手直しが終わり、エンジンを掛けようとしたら掛からない。ここに来てスターターモーターの故障が発覚しました。大至急オーストラリアに発注したものの、交換する時間など考えると絶対に間に合わない。ボッシュ製だったのですが、日本のボッシュに部品がないとのことで、修理は絶望的。周囲を巻き込んで大騒ぎした末に、御近所のアメ車屋さんが偶然在庫していた物を譲って下さいました。このアメ車屋さんには本当に感謝してもし足りない程なのですが、御挨拶に伺った際に「中古のクリーブランド351を在庫している」と仰られたので、長いお付き合いになりそうな予感です。

スペシャル ワークショップSpecial workshop 

14日のDay1は、Fury Road(邦題:怒りのデスロード)でフュリオサの護衛「エース」役を担当した、ジョン アイルズ氏の「スペシャルワークショップ」。ジョン氏は、ハリウッド映画でキャストに銃器の扱い方を教えるプロのアドバイザー。単に銃の使用方法を教えるだけではなく、長い軍隊経験を生かした「立ち振る舞い」や「目線」「挙動」に至るまで、役者が軍人に見えるように数週間~数ヶ月トレーニングをおこなう裏方さんです。Fury Roadの撮影に呼ばれた際は、元々は銃器アドバイザーの仕事として入ったものの、ミラー監督に見初められ、急遽キャストとして出演することになったり、ナミビア砂漠でのロケ中、フュリオサ大隊長役のシャーリーズ セロンのボディガードを依頼されるなど、多岐に渡る仕事となったそうです。
会場では、エアガンを使用して「射撃」ではなく「兵士に見えるプロの立ち振る舞い」を実演してくださいましたが、これがTVや映画で見る物とはレベルの違う迫力。銃を構えるポーズ、マガジンを交換して再び構える一連の動作は、まるで一流範士の「居合いの型」。単なる軍隊の訓練だけでは到達できない、「それで飯を食ってる人の最高ランク」の美しさと恐ろしさが混在する演舞。本当に感動しました。

ディナーショーDinner show 

ジョン氏の「スペシャルワークショップ」終了後、別の会場でもうひとつのイベントがありました。席数の少ない「ゲストを交えた食事会」とだけ聞いておりましたが、この食事会がトンデモない催しでした!

まず乾杯の前に、スペシャルゲストとして、日本のMAD MAX好き芸能人の最高峰(と、ファンの多くが勝手に思っている)関根勤氏が登場。関根氏のMAD MAX愛溢れる爆笑に爆笑が重なるトークに続いて、来日キャスト全員が入場。しかも食事の最中に僕ら全員にそれぞれ挨拶と握手をして回ってくれるという、とてもあり得ないディナーショー状態。特にグース役のスティーブ ビズレー氏は、立派なお腹のダンディな御爺様になっているのですが、握手をしに来て下さった際に思わず僕からお腹に抱きついて、立派なお腹に顔を埋めてボヨンボヨンしてもらいました。
さらに、関根努氏は僕と20cm(!)の席。食事中にもたくさん思い入れのある話や、面白い話をしてくれました。
右を見れば関根勤氏が面白い話をしていて、左を見ればトーカッターが刺身を食べていて、振り返ればグースが歩いていたり、カンダリーニがマッタリしていたり、ジョニーが自撮りしているという、「なんなんだこの特別すぎる空間は!」という、夢のような最高のひとときでした。
こんなに素晴らしいディナーショーにも関わらず、11月8日の時点で15席もチケットに余裕があったそうです。僕もまさか、ここまで凄い体験が出来るとは想像もしていませんでしたが、最初に判っていれば、チケットは争奪戦の様相になっていたに違いありません。主催者ならびにスタッフの皆様には、感謝しかあません。

メルボルン仲間Melbourne friends 

15日Day2。この日はFury Road(邦題:怒りのデスロード)と共に、「爆音上映」という新たなジャンルを日本中の映画館に提案した、立川シネマシティでのゲスト舞台挨拶+極上爆音上映。タブレット片手に臨戦態勢で席の予約を取る気満々だったのですが、残念ながら席を取ることができませんでした。同じく席を取れなかったメルボルン仲間と共に、立川のワイルドなレストランバーで、MAD MAX1をスマホで再生しつつ大盛り上がり。
僕はDay4で富士まで移動する前に、インターセプターの最終確認をする必要があったため、立川シネマシティのすぐ近所までインターセプターで移動。お酒は飲めませんでしたが、久々のインターセプターのドライブも、メルボルン仲間との食事も最高の一言でした。
ウワサでは、この日グース役のスティーブ氏は都内で迷子になったらしく、立川シネマシティの舞台挨拶に来なかったとか。迷子になったグースも可哀想だけど、あの激戦の中チケットを取得した方達も、グースに会えず可哀想…。

町田パリオMachida Palio 

16日Day3。町田駅にあるパリオというビルで、ゲストのトーク、撮影会、サイン会、映画上映などがありました。これまでのマッドマックスコンベンションでは、インターセプターやバイクのレプリカにゲストが乗るチャンスも多く、先輩方のマシンにはゲストのサインがビッシリと入っています。ところが今回のイベントに関しては「展示車両にサインして下さいはNG」というルールがあります。僕は常々ダッシュボードやドア内張ではなく、サンバイザーにサインを入れてもらいたかった事もあり、バイザーを外して持参。ここにサインを書いて頂きました。サンバイザーは左右2枚あり、表と裏、合計4名のサインを書いて貰うことができます。助手席側は、ジョニーとトーカッター、運転席側はグースに書いて頂き、1面は白紙として残しておくことにしました。人生何が起きるか判りません。いつかどこかでメル ギブソン氏とお会いできる事を信じて。

神様のような銀幕のスター達にサインを頂き握手をしてもらう中、僕はひとつの想いを達成しました。それは、カンダリーニ役のポール ジョンストーン氏から、カンダリーニサングラスにサインをもらうというプロジェクトです。
赤いフチのハート型サングラスなら、ダイソーに行けば100円で購入できます。ところが、カンダリーニが着用するモデルは、すでに倒産廃業している某ブランド製。僕はこれの店頭在庫が残っているに違いないと、世界中の通販サイトを探しました。残念なことに同じ物は既に無かったのですが、同じフレームに赤いレンズの製品ならば、あちこちに残っていることが判明しました。十数ドル~数百ドルまでさまざまなプライスがある中から、比較的安い物を選択。日本のサングラス屋さんで黒いレンズに交換してもらう作戦です。しかし話は簡単に運びません。ハート型のレンズカットは簡単ではないらしく、3件のお店で失敗。WEBを検索しまくり、有名店に失敗例の画像を添付したメールを送り、それを見て「出来る」と言ってくれたショップに依頼。最高のサングラスが完成しました。失敗作も含めるとバカみたいな金額になってしまいましたが、ポールさんにサインを入れてもらうことができ、本当に感激でした。

この日のイベントで「荒野のマッドミュージアム」という映画が上映されました。イギリスの熱心なファンが、ファルコンを輸入してインターセプターを自分で製作し、オーストラリア旅行でロケ地を巡る。それだけでは足りず、オーストラリアに移住し、MAD MAX2の撮影現場を探して発掘品を展示するミュージアムを作った。というドキュメント。僕はこの上映が終わると共に感動で涙が溢れてしまいました。僕には彼ほどのエネルギーはありませんが、彼の想いにはものすごく共感できます。

今年はMAD MAXの40周年ですが、再来年の2021年はMAD MAX2の40周年。もちろん現地では大々的なイベントが開催される予定で、2月にメルボルンに行った仲間や僕は、このイベントに飛ぶ計画を立てています。彼の創ったミュージアムに実際に足を運んで、直接お会いするのが本当に楽しみです。

明日のDay4は新幹線の新富士駅前。町田会場付近の某所にインターセプターを駐車していた僕は、そのまま新富士のホテルまで自走…のハズが、トラブル発生。左折中に思い切りバンプした際、右前輪がフェンダーの爪を内側に曲げてしまい、そのまま走るとタイヤが切断される状態になってしまいました。結構努力したものの、その場で応急修理するのは不可能と判断。トラブル地点から30分の場所に、懇意にしているスクートスポーツがあるため、JAFに移動して貰い応急処置して頂きました。自走は可能になったものの、トラブルのダメージでスムージングしていたオーバーフェンダーにクラックが。せめて外装くらい綺麗な状態で展示したかったのですが、仕方がありません。予定よりも随分遅れ、深夜0時過ぎに新富士のホテルに到着しました。

ふじさんめっせFujisan Messe 

17日Day4。今回、会場内の展示スペースの目玉は、4種類のブラックインターセプター。MAD MAX、MAD MAX2、MAD MAX2追突ダメージver、Fury Roadです。この4台が一同に並ぶのは、世界的に見ても珍しいこと。ブラックに関しては「全種類揃っている」という状態です。レイザーコーラ(Fury Roadで銀色に改造された状態)がありませんが、まあ仕方ないでしょう(レイザーコーラの劇中車両製作を担当したキャメロンは友達です。製作してでも手に入れたい方は御相談ください)。ここにマックスのイエローも並び、5台を一緒に見れるという豪華な展示です。
僕のインターセプターは、会場の外。入場しないお客様も自由に見学できるスペースに、他のインターセプターと合わせて3台並べて展示させて頂きました(つまり、合計8台のインターセプターが展示されました)。
本当はこの他にも、来場できる可能性のある個体として、S氏のイエロー(マックス)、京都セプター氏のブラックがありましたが、残念ながら来られませんでした。
ちなみに、今回展示された8台のうち、積載車ではなく自走で会場に来たのは4台。そのうち道中でエンコして運ばれたのが1台。道中でトラブルが発生し、応急修理で自走したのが2台(僕も含む)。ノントラブルで自走したのは、たった1台のみ。もちろんこれは師匠のブラックです。僕のブラックは、エンジン制御や電装に関する部分を完全にリフレッシュしてきて、万全の体制で挑んだものの、非常に残念な結果。それにしても、やはり師匠のブラックはひと味違いますね、素晴らしい完成度です。

会場内の模様は、サイン会や撮影会をやりつつ、ゲストがそれぞれ会場をウロウロして盛り上げて下さる感じでした。その中でも最高潮に盛り上がったのが、ヒュー氏がナイトライダーの棺の乗ったトラックの荷台に座ったときです。思わぬ劇中シーンの再現に、感動で涙が流れました。これを間近で見ることが出来ただけでも、本当に来て良かったと思いました。
他でも、ゲストがインターセプターやバイクのレプリカを見に移動すると、車両の横でポーズを撮ってくれるので、皆さん撮影しまくり。僕のインターセプターは会場外に展示だったので、残念ながら「ゲストとインターセプターの2ショット」は撮影できませんでした。撮影できなかったのは残念ですが、僕はこっそり嬉しい気持ちでいっぱいでした。

実は前日の町田パリオに行った際、朝の入場時にゲスト達が僕のインターセプターが走っているのを見て「あ、ブラックだ!インターセプターだ!日本に来てから初めて見たぞ!」と、喜んでいた。という又聞き情報(本当かどうかは不明)を耳にしたのです。僕が造ったインターセプターは、撮影時に本物を見ている彼等の目にも、パッと見ただけで「インターセプターに見える完成度」ということです。又聞きなので本当かどうかは判りませんが、これまで必死で製作してきた想いが、思いっきり報われました。彼等の目を一瞬でも楽しませることが出来たというだけで感激です。

MAD MAX記念日MAD MAX anniversary 

12月15日は、日本で映画MAD MAXが公開された記念日です。ここ数年、この日の前後にMAD MAXの記念日を祝うツーリングが開催されています。インターセプターやバイクのレプリカが集まるほか、MAD MAXが好きな方達がたくさん見学に来られます。常磐自動車道の守谷SA(下り)に、なんとなく集合し、なんとなく午前11時頃に出発します。フェンダーのダメージ修復は間に合いませんが、僕も参加する予定です。お近くの方は、是非遊びにいらしてください。