アメリカやEUでクルマを買う→船で輸送する→日本でナンバーを取得する。
このような個人輸入は、ネットで調べれば誰でもできます。代行業者も色々あります。しかし、オーストラリアからの車輌輸入となると、訳が違います。簡単に説明すると、日本の陸運局にとってオーストラリアは「そんな国知りません」なのです。
オーストラリアは日本に自動車輸出をおこなっていません。つまり、オーストラリア車の情報を陸運局は関知していないのです。しかも現行車ではなく、70年代の旧車。これを70年代の旧車としてナンバー登録するのは、一般的には不可能に近いレベルなのです。
例えば、70年代のソ連製自動車を輸入しても、それが冷戦時代にソ連で製造された証拠はどこにもありません。ソ連が当時発行した車検証や、ボディに打刻された製造年月を見せたところで、それが本物なのか偽物なのか、判断できる人も保証できる人も、日本にはいないのです。これが貿易をしていない国から自動車を輸入する際の実情。自由陣営のオーストラリアであっても、ソ連や北朝鮮から輸入するのと同様に扱われてしまうのです。
いつ製造されたか判らない自動車の場合、通関した日からの新規登録3年で車検を取ることになりますが、その場合は現在の排ガス規制をはじめ、さまざまな基準をクリアする必要があり、常識的には不可能です。
ただし、絶対にダメな訳ではありません。オーストラリア フォードの社長がサインを入れた製造証明書を持参すれば、それが証拠となります(残念ながらフォードはオーストラリアから撤退してしまいましたが)。
70年代車として国内登録することが、簡単ではないことが御理解頂けましたでしょうか。これだけ難しい話なので、「失敗してポンコツを買ってしまったから、また次頑張ろう」は、許されません。
二度目がないため、購入前に現車をシッカリとチェックし、間違いのない買い物をする必要があります。
◆長くなるので3行に要約◆
・信頼できる20年来の知人がオーストラリア在住
・しかも現地でスポーツカー専門の中古車販売店を経営
・ファルコンの目利きなら世界一の現地スタッフ「Aさん」がいる
◆要約終わり◆
ということで僕は現地に行かず、ファルコンが大好きなAさんの方が、足を運んで詳細にチェックしてくれることになりました。
ガッツリとチェックしてもらった結果は、「こんな素晴らしいコンディションのファルコンは見たことがない。俺が乗りたいくらいだ!」と太鼓判。
現地からAさんがライブで電話説明してくれたこともあり、その場で契約して頂きました。
そう、買いました。
遂に買いました。
この個体に決断しました!!
ちなみに、オーストラリアでのインターセプターやファルコン探しに関しては、WEBを徘徊するだけではなく、この知人をはじめ、外国人の友達(在日豪人の英語教師や、在豪人関係者の友達ネットワーク)にも頼んで、かなりの人数が目を光らせてくれていました。改めて皆様に御礼申し上げます。
無事に購入できたとの連絡があったものの、売買契約の場に居たわけではなく、契約書を見たわけでもないので、まるで実感がありません。本当に購入できたのだろうか…と少々不安でしたが、2週間後、無事に知人のアジトに到着しました!
超巨大トレーラーで陸送されて来たのですが、オーバーフェンダー付きなので、ギリギリの幅だったようです。「日本で乗るにはデカいだろうけど」「裏道では大変だろうけど」「狭い路地には入れないだろうけど」など、メールのたびにデカいぞ!という内容が書かれているので少々気になり、サイズを調べてみました。
ノーマルは全長4808mm、全幅1900mm。バンパーは+100mmくらい、オーバーフェンダーは片側+30mmくらいだとすると、4908mmと1960mm(くらい)です。現行型のレクサスLSと比較すると、全長は30cm以上短く、幅はオーバーフェンダーの幅だけ広い程度。国産のフルサイズと同じか少し小さい程度なら、驚くほどでもなさそうです。
ところが、たまたま会社の近所のアメ車屋さんの前に、ムスタング・マッハ1が止まっていたのです。そう、ムスタング・マッハ1を偶然見てしまったのです。
「デカっ!」本当にデカい。日本で乗るのは大変そうです。そういえば昔から、マッハ1は見るたびにデカいと思っていたっけ、忘れていました。ハンパじゃないサイズ感です。
それもそのはず、全長5m近くもある2ドア車など、ここ20年くらいは他に存在しないような気がします(気になって検索したところ、フルサイズ4ドア車のシャーシを流用した2ドア車は、これくらいのサイズでした 例=ダッジ チャージャー・チャレンジャーなど)。
マッハ1のサイズは4813mm、1882mm。なんと横幅はファルコンの方が大きいじゃないですか。
さらにバンパーとオーバーフェンダーが追加されている訳で、あのデカいマッハ1を超えるサイズなのです。まさに日本で乗るにはデカ過ぎるだろうし、狭い路地を避けたくなるサイズ。
しかし、それがインターセプターに乗ることだと考えれば、むしろワクワクしてきます。
普通じゃないクルマを普通じゃない感覚で乗れる。なんというサプライズでしょう。
ここまで色々ありましたが、夢のインターセプターに向けての第1関門を突破した気持ちです。
到着港を指定したところ、タイミングを外して出航が遅れ、なんだかんだで到着はここからさらに60日後となってしまいましたが、時間がタップリあるのは良いことです。その間に必要になるパーツをどんどん発注していきます!